民間の活動

鉄道事業者の安全・安心のための取組

icon 鉄道事業者

 東京都では、痴漢撲滅プロジェクトの取り組みの一環として、令和6年度に「痴漢撲滅に向けた鉄道事業者等との情報連絡会」を立ち上げ、鉄道事業者との連携を強化しています。
 このたび、鉄道事業者の皆様が、お客様に鉄道を安全・安心に利用してもらえるよう実施している、痴漢防止等にもつながる様々な取組について、東京都で取りまとめました。
 それでは、駅構内やホーム上、電車内等で実施している取組や、痴漢やその他トラブルが発生した際に対応している内容について見てみましょう。
(内容によっては、対応していない事業者・路線もあります。)

(1)駅構内~ホームでは…
①デジタルサイネージ、ポスター等での注意喚起

痴漢撲滅キャンペーン時には、デジタルサイネージでの動画や静止画の放映、ポスター掲示等による注意喚起が行われています。

②アナウンス

受験シーズンや痴漢撲滅キャンペーン中には、ラッシュ時間帯等に痴漢対策に関係したアナウンスが実施されています。

③エスカレーターでの注意喚起

主に盗撮被害を防ぐため、一部駅のエスカレーター脇には、背後を確認できる鏡や、注意喚起ポスター、ステッカー等が掲出されています。

④防犯カメラの設置

防犯カメラは、改札口、コンコース、ホーム、トイレ出入口、エレベーター内、エスカレーター付近など複数の場所に設置されています。被害発生時には、警察の要請により映像の提供等が行われています。

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多摩都市モノレール㈱ 提供
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㈱ゆりかもめ 提供
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東武鉄道㈱提供
⑤巡回警備

駅係員・駅警備員による巡回警備が行われています。
痴漢撲滅キャンペーン中や受験シーズン等には、回数を増やす等、警備が強化されています。

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㈱ゆりかもめ 提供
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多摩都市モノレール㈱ 提供
⑥駅係員呼び出しインターホン

ホームには駅係員呼び出しボタンがあり、インターホンを通じて駅係員に助けを求めることができます。ボタンを押した後は、駅事務室や、無人駅の場合は管理駅の駅員とつながる等、非常時に連絡が取れる体制を整えています。カメラ機能が付いているものもあり、駅係員はカメラで通報者の周囲を確認しながら話を聞くことができます。インターホンの設置個所は、利用者の方に分かりやすいような表示がされています。

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㈱ゆりかもめ 提供
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多摩都市モノレール㈱ 提供
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東京臨海高速鉄道㈱提供
(2)電車に乗車中…
①女性専用車両

朝ラッシュの時間帯に多くの鉄道会社で導入されています。女性専用車両の運行時間や設置車両については、ステッカーの貼付、看板の設置、各社ホームページ上での案内等、様々な形で周知が行われています。

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東武鉄道㈱ 提供
②アナウンス

行き先や運行情報等のお知らせに加え、女性専用車両への協力のお願いや、不審物や迷惑行為を目撃した際の注意喚起、痴漢撲滅キャンペーン期間中の注意喚起のアナウンス等が放送されています。

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多摩都市モノレール㈱ 提供
③防犯カメラ

利用者に安心してご乗車いただけるよう、多くの鉄道会社で、車両内に防犯カメラが設置されています。被害発生時には、警察の要請により映像の提供等が行われます。

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㈱ゆりかもめ 提供
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東武鉄道㈱ 提供
④非常通報装置

車内には車内非常ボタンが設置されており、車内で急病人、トラブルの際には同装置を操作するよう案内されています。ボタンを押下するとインターホンで乗務員と通話する事ができます。(一部列車の車両は乗務員へ異常を知らせます。)

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東武鉄道㈱ 提供
(3)まとめ

 痴漢対策は慎重に取り組む必要があり、過剰に行うことで利用者が「自分が被害に遭うかもしれない」という過度な不安を感じる可能性もあります。一方で、痴漢による被害は精神的・身体的に大きなダメージをもたらすだけでなく、鉄道会社側もその対応に困難を伴うケースが少なくありません。
 各鉄道事業者では、防犯カメラの設置や、乗客への注意喚起を目的としたアナウンス、女性専用車両の導入など、痴漢トラブルの抑止力を最大限に発揮するための対策を多方面から実施しています。また、デジタルサイネージやポスターを活用し、痴漢行為への警戒を促すとともに、被害防止への意識向上を図っています。
 万が一、痴漢被害を受けたり目撃したりした際には、110通報または、お近くの駅係員・乗務員にお声がけください。
 これらの施策は、乗客が安心して鉄道を利用できる環境を整えることを最優先にしつつ、抑止効果と乗客の安心感のバランスを取ることを常に念頭に置き、実施されています。